小林幸子、10歳で上京した原点 稗田利明

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小林幸子さんは、歌手になると決めた幼少期から母親の厳しいしつけを受け、「一人でできることは一人でやりなさい」と教え込まれて育った。着物のたたみ方や帯の結び方、日本舞踊まで身につけ、舞台に立つための所作を幼いころから鍛えられたという。

1964年1月、10歳になったばかりで単身上京し、最初は親戚の家、のちに四谷三丁目のアパートで一人暮らしを始めた。近所で買い物や自炊もこなし、土日は仕事という「働く小学生」として活動。東京の子どもたちの学力の高さに圧倒され、自分は新潟では成績優秀でも、広い世界ではまだまだだと痛感したそうだ。

やがて古賀政男さん作曲のデビュー曲「ウソツキ鴎」でレコーディングに臨む。背が低くマイクに届かないため、小さな台の上に乗って歌ったというエピソードからも、当時の苦労が伝わる。古賀さんは隣で励ましてくれたが、ディレクターに「横で一緒に歌わないでください」と止められたという微笑ましい話も残っている。

6月5日にデビューすると、すぐテレビ出演の機会にも恵まれた。新潟の実家では家族が何度もレコードを聴いて喜び、母親は「何回もやると、幸子が疲れるでしょう」と心配したという。厳しい修業と家族の支えを土台に、小林さんは後に大ヒット曲「おもいで酒」や紅白出場を重ね、今も“ラスボス”として幅広い世代に親しまれている。

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