広瀬すず主演『ゆきてかへらぬ』の魅力 稗田利明

こんにちは、稗田利明です!

映画『ゆきてかへらぬ』は、全国公開される注目作品だ[1][5]。本作は、大正から昭和初期を舞台に、実在した女優の長谷川泰子、詩人の中原中也、文芸評論家の小林秀雄の三角関係を描いた物語である[1][2]。

広瀬すずが演じる長谷川泰子は、まだ芽の出ない女優として描かれる[1]。木戸大聖が演じる中原中也は、のちに不世出の天才詩人と呼ばれることになる青年だ[1]。岡田将生が演じる小林秀雄は、中也の友人で文芸評論家として登場する[1]。

三者の関係性について、広瀬は「恋だけじゃない、少しゆがんだ愛みたいなものがあった」と語る。泰子にとって中也と小林は自身の存在意義を証明してくれる存在だったと解釈している。特に中也は泰子に刺激を与え、生きるエネルギーになっていたという[1]。

岡田は小林の視点について、「泰子にフォーカスが当たっているようで、当たっていない」と述べる。泰子への愛はあるものの、その先には中也がいるという複雑な心境を演じる上で意識したという[1]。

木戸は中也について、「人に分かってもらえないことが多く、孤独を抱えていた」と分析する。そんな中也を受け止めてくれたのが泰子と小林であり、この3人だからこそ成立した関係だったと考えている[1]。

本作の脚本は、『ツィゴイネルワイゼン』や『セーラー服と機関銃』で知られる田中陽造が40年以上前に執筆したものだ[5]。時代設定や言葉遣いの違いに苦労しながらも、キャストたちは田中の言葉選びやリズム感に魅了されていったという[1]。

根岸吉太郎監督は、『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』以来16年ぶりにメガホンを取った[6]。監督は俳優たちに「当時の人は一音一音を声に出してハキハキとしゃべる」よう指示し、現代的な演技とは一線を画す表現を求めた[1]。

『ゆきてかへらぬ』は、時代を超えて普遍的な人間ドラマを描き出す作品となっている。キャストの熱演と、田中陽造の巧みな脚本、根岸吉太郎の繊細な演出が相まって、観る者の心に深く刻まれる映画になることだろう。

Citations:

[1] https://www.fashion-press.net/news/130202

[2] https://www.kin-ei.co.jp/cgi-bin/pc/ttl/det.cgi?ttc=25022140

[3] https://bezzy.jp/2024/08/49008/

[4] https://www.fashion-press.net/movies/24962

[5] https://natalie.mu/eiga/pp/yukitekaheranu

[6] https://natalie.mu/eiga/film/196603

[7] https://hitocinema.mainichi.jp/films-info/yukitekaeranu

[8] https://moviewalker.jp/news/article/1216668/image13503278/

[9] https://www.cinematoday.jp/movie/T0030042

稗田利明のエンタメワールド

稗田利明のエンタメワールドは、映画のレビュー、最新音楽トレンド、アートの魅力、有名人のインタビューなど、あらゆるエンタメに関する情報を発信するブログです。楽しさと洞察にあふれるエンタメの世界を一緒に探求しましょう。