『ミンナのウタ』の恐怖を徹底解剖!新作『あのコはだぁれ?』も紹介 稗田利明
こんにちは、稗田利明です!
今年の夏も例年以上の酷暑が続く中、涼を求めて観たくなるのがジャパニーズホラーだ。昨年公開された『ミンナのウタ』は、その予告編が一部劇場で上映中止になるほど「怖すぎる」と話題になった。そんな話題作のDNAを継ぐ『あのコはだぁれ?』が公開中だ。今回は『ミンナのウタ』の魅力をネタバレ全開で振り返り、その恐怖の要因を探っていく。
『ミンナのウタ』は、清水崇監督が手掛け、GENERATIONS from EXILE TRIBEが本人役で出演するモキュメンタリー形式のホラー映画だ。物語は、ラジオ番組のパーソナリティを務める小森隼が、ラジオ局の倉庫で「ミンナのウタ」と書かれたカセットテープを発見するところから始まる。謎の声を耳にした小森が忽然と姿を消し、メンバーたちも次々と異変に見舞われる。
本作の恐怖の要因は、Jホラー特有の不気味な空気感とショックシーンのコンボにある。カセットテープのノイズが醸し出す不気味な質感や、奇妙な言動を見せるキャラクターたち、そして「呪怨」を彷彿とさせる禍々しい家での奇怪な出来事が観客を恐怖のどん底へと引きずり込む。特に、高谷家のシーンでは、さなの母親が壊れたように同じ言動を繰り返し、突如白目を向きながらカメラに迫ってくるトラウマシーンがSNSで話題となった。
さらに、ホテルの廊下で関口メンディーに向かって走り寄ってきた俊雄が、飛びつく瞬間におぞましい顔をしたさなに変わるシーンも印象的だ。これらのショック描写と不気味な雰囲気が、Jホラーの真骨頂を見せつける。
また、小森失踪の謎を解くミステリー的な要素も本作の魅力の一つだ。探偵の権田がカセットを逆再生するなどの試行錯誤を繰り返し、メンバーからの証言を集める中で、徐々に真実が明かされていく。過去に起きた女子中学生の怪死事件という新たな闇にたどり着くにつれ、恐怖は倍増していく。
本作の恐怖の元凶である高谷さなというキャラクターも忘れてはならない。彼女は30年以上前に亡くなった怨霊であり、動物を虐待するサイコパス気質を持つ。さなは生き物の最期の音を集めて呪いのメロディーを作り出し、GENERATIONSを次々と自分の世界に引き込んでいく。その純粋な邪悪さが、観客に強烈な印象を与える。
そして、『ミンナのウタ』と同じ世界線で語られる新作『あのコはだぁれ?』が公開中だ。本作は、学校の夏休みを舞台に、男女5人が補習授業を受ける教室で巻き起こる怪奇を描く学園ホラーだ。臨時教師の君島ほのかの目の前で、ある女子生徒が突如屋上から飛び降りる。その生徒の謎に気付いたほのかと生徒たちは、やがて“あのコ”にまつわる衝撃の事実を知ることになる。
『あのコはだぁれ?』でも“さな”という名の少女が登場するが、その関係は劇場で確かめてほしい。新たなJホラーのアイコンとして、さなの恐怖が再び描かれることに期待が高まる。
Citations:
[1] https://moviewalker.jp/news/article/1207536/
[2] https://www.jwa.or.jp/news/2024/04/22784/
[3] https://news.yahoo.co.jp/articles/0006af9cda486a1a2a158e4cdf7e2b89c81c8724
[4] https://www.sp-venus.com/blog/post/weather_summer/
[5] https://www.theatrecinq.jp
0コメント